「女子力コン」中止?

 名大祭の「女子力コンテスト」なるイベントが反対を受けて中止されたらしい。キャンパスに暮らして5年目、大学祭のイベントなんて一つも見に行ってないわけで、今年なんて大学祭初日に普通に講義があるのがロースクールで、別に見に行く気もなかったのですが・・・問題はそこではなく。


 「女子力コンテスト」なるものが、いわゆるジェンダーバイアスを生むとか強化するとかいう主張については否定はしませんし、反対運動はやりたいならおやりになればよろしいと思います。反対運動をしたいという人が、当日に会場の最前列を反対運動家で埋めて横断幕を掲げるくらいの行為に及んだらそれは敬意を払いましょう。しかし、ある表明に対して「私はそれが嫌いだ」と主張することと、「やめろ黙れ」とあらかじめさせないことではその意味合いが大きく異る(単純な「嫌い」の表明が行われたことに対して中止したなら、運営がヘタレなだけとも言えるわけですが)ものです。対向する意見の表明と、相手の表明を封殺する行為であることの違いです。おまけで言うなら、事前の封殺であったら、彼女らの主張するジェンダー論についても知れ渡ること無く完結するわけで、その活動目的と整合するのかも怪しいのではないかと老婆心ながら思います(気に食わないものを封殺して溜飲を下げたいだけである可能性については否定しない)。実際のところ、中止の理由が発表されるでもなくひっそりとHPから削除されたので、どちらだったのかは不明です。


 右翼の街宣車在特会も9条の会も、白人至上主義だろうが女性(OR男性)上位主義だろうが全体主義だろうが、その活動が表現に留まるもので、他人を具体的に害しない限りでは好きなこと勝手に言ってればいいのである。・・・という思想は、そんなに受け入れ難いものなんだろうか。清い社会を求める人が圧倒的に多数だとは思わないけど、反対意見があるなら中止すべき、がスタンダードとなるなら、誰も文句を言わない人畜無害な表現以外のものは世に現れてはいかんということになるんですがそれでいいんですかね。


 まあ、実際には名大祭本部実行()が、ツイフェミのクレーム級のものに対抗して決行するレベルの自信も持ってなかったという程度のことなのかもしれませんが、今後の全国の学校祭等で行われるかもしれなかったこのたぐいのイベントについて、嫌な前例を作ったことは間違いないでしょう。