Three days have passed since the murders.
嫌な事件だったね。



 映像メディアの価値ってなんなんだろう?

 テキストにすれば10分もかからずに読み終わるような内容を、延べ何十時間もかけて報道する。卒業アルバムの写真から昔の作文から親から友人からあらゆるものを引っ張り出して、そこから何か得られるものがあるかのようである。
 あるいは問責決議案に関して。議場の様子と各党首のインタビューが流れる間に、簡単な経緯とその決議案の意味と効力と、主要な用語まで調べ終えることだって簡単に違いない。

 映像メディアは、よく情報量の多さ、などという言葉とセットで語られる。実際に、データの大きさは新聞全面分と比べたって、映像30分のデータサイズは比較するのも愚かしい。しかし、見る人にとっての『情報そのもの』の量は、決して多いとはいえない。「街頭の人の声」「犯人の知人の話」「社民党党首インタビュー」など、まるで意味のないデータまで時間を使って放送される。
 くわえて、映像情報は目と耳を占有する。そして、30分の番組なら必ず30分の時間を必要とする。テキストのように流し読み飛ばし読みはほとんどできない。(ビデオの倍速再生なんてものはありますが。)

 現在、映像メディアであるがゆえに存在価値があると思えるような報道番組がひとつとしてあるだろうか?このことが示すメディアの将来は? 情報化社会などと言われ続けて久しいながら、情報化の過程でもっとも立ち遅れていくものは、新聞ではなくTVなのかもしれない。