◆木内道祥 判事◆

弁護士出身
家事事件ほか民事いろいろ。


平成24年衆議院議員総選挙定数訴訟大法廷判決(最判平25・11・20)http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/745/083745_hanrei.pdf

 一人別枠方式の区割りについて合憲とした法廷意見に対し、憲法上要求される合理的期間内に是正がされておらず、本件区割規定は違憲である(ただし違憲の宣言はするが選挙無効とはしない)との反対意見を付した。

産廃処分業許可処分無効確認事件(最判平26・7・29)http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/346/084346_hanrei.pdf

 産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民のうち、当該最終処分場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染、水質の汚濁、悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該最終処分場を事業の用に供する施設としてされた産業廃棄物等処分業の許可処分及び許可更新処分の取消し及び無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟及び無効確認訴訟における原告適格を有する(法廷意見)。

わいせつ図画頒布被告事件(最判平26・10・7)http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/636/084636_hanrei.pdf

 刑法175条について、憲法21条違反の主張及び不明確性からの31条違反の主張を退けた(法廷意見)。

平成25年参議院議員通常選挙定数訴訟大法廷判決(最判平26・11・26)http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/647/084647_hanrei.pdf

 違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが,本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとした法廷意見に対し、本件定数配分規定は違憲であったと解し、議員一人当たりの選挙人数の少ない選挙区の順に選挙無効とする選挙区を裁判所が定めることができるとする反対意見を付した。