だから地図を見ろって

普天間移設「現行案で速やかに」 マレン米統合参謀本部議長(NIKKEI.net)

 米軍が沖縄県内に基地を置くことにこだわるのは何故か。

 星マークの位置が沖縄。沖縄という場所は内地のどこと比べようも無く中国を睨む位置にあることがわかる。特に台湾海峡との距離で言えば他の場所へ移したくないのも当然であろう。また、沖縄以外の県へ移すとなればまたケタの違う困難が待ち受けているであろうことも米は当然わかっているはず。


 国内を見る。「県外移転」を主張する代議士が沖縄では選ばれる。一部政党も「県外」を主張し続ける。しかし、彼らの間で具体的に、「何県のどこどこ」という議論は果たして行われているのか。それなくして現実の移転などありえないことは把握されているのか。原理主義的に県外県外と唱えているだけのようにも見える。


 日本の現在の安全保障に米軍が必要不可欠であることは論を待たない。そのためにこれまで沖縄に負担が集中してきたのも事実である。しかしながら、それを理由にただ県外へ移転させればよいというのは間違っている。日米双方の安全保障の実現の為に地図を見て検討すればやはり沖縄以外に置かれる場所はないだろう。沖縄の負担の軽減ためには、治安対策等が強化される必要がある。普天間基地移転の運動の盛り上がりには90年代にあった女児のレイプ事件がある。類似の事件がそれ以後も複数回起こっており、現状では地元住民を納得させることは難しい。兵士の管理を徹底させることや犯罪容疑者の引渡し協定等の現実的対策を駐留米軍に求めていくことが、「米国にものを申せる政府」を標榜する新政府にあるべき姿勢ではないか。