「空気に色がつけられないのはなぜ?」
 ときく子供に、なんと答えたものでしょう。

珍問・奇問科学館

珍問・奇問科学館

 名古屋市科学館で長くプラネタリウムの解説をされていた方の本。その時に筆者が受けた、子供たち(時には大人)の、科学に対する根本的な質問に、わかりやすい言葉で答えます(といいながら、各項の最後にはしっかり踏み込んだ解説がなされていたりします)。地球が丸いことを月食の影でなく説明しろって言われたら一瞬たじろぐね!

 こんなのはどうでしょう。

 あなたは今、ブラジルのサンパウロにいます。棒1本と、軽くて細い糸、おもり2個の他に、時計と、1mm単位で50kmまで測ることのできる計測器具を持っています。地球の半径の近似値を求めなさい。
(史実ではアスワンですが、アスワンはちょっとずれます)

こたえは続きに。
 ブラジルのサンパウロは南回帰線上にあるので、冬至の日の正午に太陽光が垂直になる。冬至でない日に、太陽の北中時に方角を確かめ、南か北に50km移動した地点Aを定める。地球の中心を中心としてサンパウロからA地点への偏角をθとする。その地点で棒を斜めに立て、おもり2個を間隔xで一本の糸につないで吊るし、一個が地面に接するようにする。このとき作られる影の間隔をyとする。A−地球の中心−サンパウロと、おもりの間の糸、影の作る三角形は相似であるので、求める地球の半径は、
(x/y)×50(km)ということになるでしょう。