衛星映画劇場でクリント・イーストウッド特集始まってた!

 今日はトゥルー・クライムイーストウッド主演・監督。酒浸りで女たらしのダメ男なのにかっこよすぎるイーストウッドが素敵。撮影当時70近かったのになんかずるい!


嘲笑うイーストウッド(含ネタバレ)

本作の死刑囚は黒人。裁判に勝てなかった弁護士も黒人。被害者の女性は白人、2名の目撃者も白人。検察官も白人。そして隠されたもう一人の目撃者も・・・と思わせておいて、もう一人の目撃者は低所得層の住む地域出身のヤク中の黒人。しかも街頭で刺されて墓の下。

この映画の公開は90年代末、人種差別はその当時でも(今でもだろうけど)色濃く残っている。クドくない程度に、だけど「いかにも人種的に配慮しました」的な演出はしない上で、アメリカの白人社会をざっくり切って出すうまさが見える。「真犯人」の祖母のセリフからもアメリカ社会のひずみを匂わせている。皮肉というスパイスをたくみに利かせた演出は、成熟された名人の技と言えるでしょう。